注目講演・プレスリリース

注目講演

春講演会プログラム編集委員が選んだ14件の注目講演です。

中分類分科名 講演番号 講演タイトル 講演者 所属
注目講演推薦理由
3.6 レーザープロセシング 23a-13M-8 GHzバーストパルスの三倍波によるシリコン精密加工 櫻井 治之 東大院理
バーストモードパルス照射は,加工の精度を向上させる方法として,近年注目されている.筆者らは,バーストパルスの3倍波(343nm)によるシリコンの精密加工を実現した.結果では,通常の3倍波レーザー加工と比較して,バースト加工はデブリ発生が少なく,

高い加工品質を示した.本発表は,現象として興味深く,実用化も期待されるため,注目講演に推薦する.

7.2 電子ビーム応用 25a-12M-6 空間電荷制限電流領域で動作可能な新しい電界放射陰極におけるジュール熱の影響 根尾 陽一郎 静大工, 静大電研
電界放射陰極の電流の上限は、チップ材料の融点により決まる。本講演で提案するガリウム蒸発の気化熱を利用した電界放射陰極では、5mA以上の大電流放射、100時間以上の連続運転に成功している。更に、電界放射において初めて、電流-電圧特性が完全にChild-Langmuir則に従い放出電流の限界に到達した結果であり、注目に値する講演である。
8.2 プラズマ成膜・エッチング・表面処理 25a-61B-6 デジタルツインを用いた高効率 TSV 用低 GWP ガスの開発 高倉 陽平 ダイキン工業株式会社化学事業部
半導体製造では環境負荷低減が求められており、低GWPガスの開発が課題である。著者らは、Si貫通電極加工の保護膜堆積に用いられるC4F8の代替ガスに関して、デジタルツインを用いてPoly-Siへの堆積速度を比較した結果、CH2=CF2、CHF=CFHが優位であることを見出した。今後、先端半導体の進展に寄与すると期待され、注目講演に推薦する。
11.1 基礎物性 23a-12P-4 Bi2212ジョセフソンプラズマエミッタの同期現象の時間発展解析 宮本 将志 京大院工
本講演は,高温超伝導体Bi2212単結晶を使ったテラヘルツ波発生素子を用いて,信号発生器にて発生させたギガヘルツ帯のマイクロ波信号をテラヘルツ波に乗せて送信する,テラヘルツ波周波数変調技術に関するものである。高温超伝導体を利用した次世代通信技術の進展に寄与することが期待でき,注目講演として推薦する。
12.2 評価・基礎物性 25p-1BC-1 有機半導体の伝導帯/価電子帯エネルギーバンド幅の温度依存測定によるポーラロン形成の実証 吉田 弘幸 千葉大院工, 千葉大分子キ
結晶有機半導体における荷電キャリアの本性は材料分子の内部振動あるいは分子結晶の格子振動によって『重く』なった「ポーラロン」である。本講演は,結晶有機半導体の価電子帯および伝導帯のバンド幅の試料冷却に伴う変化を注意深く追跡し,結晶格子の熱膨張の寄与を切り分けることで,ポーラロン形成に伴ってバンド幅がどのように変化するかを実証するものである。
13.8 光物性・発光デバイス 24a-12J-4 窒化物半導体中プラセオジムの4f殻内遷移発光に寄与する電子準位 佐藤 真一郎 QST
本講演は、窒化物半導体(GaN)中プラセオジムの遷移発光に寄与する電子準位に関する報告である。GaN中希土類元素は4f殻内遷移に起因する狭線幅発光が電気・光学的に制御可能なことから、量子ビットや単一光子源への応用が期待されている。本研究はGaN中プラセオジムの詳細な光学測定を行い、本遷移発光に寄与する電子準位を同定している。量子情報分野へ大きく寄与する可能性もあり注目すべき講演である。
15.4 III-V族窒化物結晶 23a-21C-3 分布型分極ドーピングによるAlN系縦型p-nダイオードの実証 隈部 岳瑠 名大院工
窒化物半導体はワイドギャップであり、特に高Al組成の場合、ドーパントを用いたキャリア制御が難しいとされます。本講演では、分布型分極ドーピング技術をAlGaN系に応用し、pn接合ダイオードを作製することで、理想的な電気特性を実現しました。この技術は次々世代パワーデバイスの開発に寄与する可能性があります。
15.4 III-V族窒化物結晶 23p-21C-16 積層型InGaNフルカラーモノリシックマイクロLEDディスプレイの実証 五所野尾 浩一 豊田合成(株)
積層型InGaNフルカラーモノリシックマイクロLEDディスプレイの実証
次世代ディスプレイとして期待されるInGaN系マイクロLEDディスプレイはRGB素子のモノリシック集積が課題となっています。今回、RGBそれぞれの色で発光するInGaN発光層をエピタキシャル成長させ、リソグラフィと再成長技術によりカソードを共通化できるモノリシックLED構造を作製し、パッシブマトリクス駆動回路による動作を実証しました。
17.2 グラフェン 24a-32A-3 裏面照射型グラフェン可視光イメージセンサ (I) 嶋谷 政彰 三菱電機
グラフェンの高キャリア移動度を積極的に用いた、高感度な光ゲート型光検出器の開発が盛んである。これをアレイ状に配列したイメージセンサでは、従来、配線等が受光部への光入射を妨げる表面照射型構造が取られていた。これに対し本講演は、配線等の影響を受けない裏面照射型構造の実現を報告している。光量増大等の高性能化に資する内容であり、注目に値する。
21.1 合同セッションK 「ワイドギャップ酸化物半導体材料・デバイス」 23a-31A-7 190-220 nmで蛍光するKr2エキシマ励起岩塩構造MgZnOランプの開発 小川 広太郎 工学院大, オーク製作所
本講演では,石英ガラス板上へミストCVD法により成膜した岩塩構造MgZnO薄膜を蛍光層として採用することで,波長200 nmで発光するKr2エキシマ励起蛍光ランプの試作に成功した成果が報告される。MgZnOの組成変化により真空紫外ランプの波長選択性が拡がることが期待される。特に,水俣条約により使用制限に向けた取り組みが強く求められる水銀灯の185 nmの代替光源開発への展開が期待され,産業的に重要な成果と言えるため注目講演として推薦する。
23.1 合同セッションN「インフォマティクス応用」 22a-52A-5 大規模言語モデル用材料分野ベンチマーク作成とそれによるChatGPT・Bardの評価 吉武 道子 オムロンサイニエックス
近年、chatGPTをはじめとする大規模言語モデル(LLM)が注目を集めており、当然、材料学分野への応用も期待されている。本発表は、言語モデル技術とその評価方法に関する進展を示しており、材料学分野におけるAIの応用と理解を深める貴重な機会を提供する。特に、材料学に特化したベンチマークは、学術的な意義が高く、関連分野の研究者にとって興味深い内容である。
FS.1 フォーカストセッション「AIエレクトロニクス」 24p-31A-7 FeFETを用いた電圧検知Computation-in-Memoryの回路デザイン 松井 千尋 東大工
メモリ応用でも注目される強誘電体FET(FeFET)を用いたComputation-in-Memory(CiM)回路に関する報告である。従来の抵抗変化メモリを用いた電流検知型CiM と比較して、本提案の電圧検知型FeFET CiMにおいては演算性能の向上が示されており、寄生成分の影響を受けにくい良さも具備する。また同回路にて代表的ニューロモルフィック技術であるSpiking Neural Networkの積分発火動作も示されており注目に値する。
T10 バイオミメティクスとセンサー・AI ~自然から学び、未来を創る~ 23p-61B-1 バイオハイブリッドがもたらす技術革新 竹内 昌治 東大院情報理工, 東大生研, 神奈川産技総研究所
生体機能とメカニカルな要素を組み合わせた「バイオハイブリッド」というアプローチの最先端の取り組みをご紹介いただく注目講演です。事例として、ナノ物質を材料としたフレキシブルかつ大面積の「電子皮膚」の取り組みについて、機械学習による高機能化と社会実装の応用事例も合わせて講演いただきます。
T26 エネルギーハーベスティングのフロンティア ーGXに挑戦する若手研究者たちー 23p-61A-4 セラミックエレクトレットの開発と振動発電デバイスへの応用 井頭 卓也 (株)デンソー
絶縁体中に電荷を注入したエレクトレットを用いた環境振動発電は高出力化が可能なため,近年多くの研究が行われている.本講演では,ペロブスカイト型希土類アルミネートを全く新しいエレクトレット材料として提案し,また薄膜形成技術を確立してMEMS発電器プロトタイプの評価を行ったものであり,注目度の高い研究である.

プレスリリース

注目講演の数件はプレスリリース予定で、後日こちらに掲載予定です。